古墳時代の火きり板 |
キリモミ式 |
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■発火法の種類
昔から伝わる発火法は、火花式と摩擦式に大別される。火花式には火打石があり、摩擦式には次のような種類がある。 |
ヒミゾ式 |
リネシアなど、南方の国々で使われる方法。板に作ってある溝に棒を押しつけ前後にこする。かなりの力と時間がかかる。熟練した技術が必要。 |
キリモミ式 |
日本古来の火おこしの方法である。板と棒で火をおこす。 |
ユミギリ式 |
イヌイットやアイヌなどの北方民族が使った方法。弓のような道具を使う。 |
ヒモギリ式 |
これも北方民族が使った方法。ヒモで火きり棒を回転させるもので、適切な道具を使えば子供でも簡単に出来る。 |
マイギリ式 |
昔の火おこしとして、多くの学習で使われる方法であるが、実際は今から200年ほど前に伊勢神宮で考え出された方法。 |
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■火おこしの材料(ヒモギリ式の場合) |
火きり板 |
他の木材でも可能であるが杉が一番適している。出土した昔の火きり板も多くが杉である。 |
火きり棒 |
昔使われた火きり棒は、杉などの丸太を削って作ったものが多いが、発火効率は悪い。キブシやウツギ、アジサイなどの枝を乾燥させたものが良い。 |
ハンドビース |
火きり棒を支える板。樫などの硬い木がよい。 |
ひも |
直径5〜10ミリ、長さ1メートル程度のものがよい。 |
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ヒモギリ式 |
火種 |
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関根秀樹(原始技術史研究所主任研究員)、福岡市教育委員会、板付遺跡弥生館、滋賀県教育委員会文化財保護課、安土城考古博物館、山口大学埋蔵文化財資料館、大聖院(広島県宮島町)、柳井市阿月公民館 |
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