缶詰 缶詰・瓶詰はいつごろ かに缶
父 父:教一が語る「缶詰・瓶詰の歴史」
ラムちゃんの食事からもう一つ。ペットフードが入っている缶詰や瓶詰(びんづめ)による保存方法はナポレオンのアルプス越えいつごろ発明されたのだろう。いつごろか分かるかい。
これもフランスの発明なんだよ。今度はナポレオン1世の話。フランス革命の終わりに近い18世紀末、ナポレオンはフランス革命軍を率いてヨーロッパ各地で戦っていたんだ。彼は長引く戦いの中で、兵士にどこでも簡単に持ち運べ、おいしくて、保存のきく食品を食べさせる方法はないかと考え、1万2千フランの懸賞金をかけてアイデアを募集させたんだ。それに応募した1804年フランス人ニコラ・アペールは、瓶に食品を詰め加熱した後、コルクで密閉する方法を考案し賞金をもらったんだよ。
コーンビーフ
その6年後の1810年、イギリスのピーター・デュラントは、鉄板の内側を錫(スズ)でメッキしたブリキ缶の容器を作り食品を詰め、加熱した後、蓋(ふた)をロウや錫でふさぐ方法を考え出したんだ。これが缶詰。日本には1871(明治4)年、長崎でフランス人教師レオン・ジュリーから製法を学んだ松田雅典(まつだまさのり)がイワシの油漬けの缶詰を作ったのが初めとされているよ。

妹 妹:修子のひとこと
ナポレオンのころってよくわからないけど江戸時代のころでしょう。授業では日本地図を作った伊能忠敬(いのうただたか)、蘭学の杉田玄白(すぎたげんぱく)について調べたことがあるよ。

研一 ボク:研一のひとこと
僕の知ってることによると、ちょうど老中(ろうじゅう)の松平定信(まつだいらさだのぶ)による寛政の改革(かんせいのかいかく)が行われたころだね。江戸に出てきた農民を故郷に帰させたり、ききんにそなえるため農村に倉を設けて米を蓄えさせたりしたんだよね。日本でもこのころになると商工業の発達がめざましく、化政文化(かせいぶんか)とよばれる町人中心の文化も栄えたころだね。


母 母:育代のひとこと
みんなよく知っているわね。じゃあ私は、このころのヨーロッパについて触れてみましょう。フランス革命が始まったのは1789年のこと、それまでの旧体制(アンシャンレジューム)のもとにほとんど権利を持たなかった農民、都市の商工業者が貴族に対して立ち上がったのよね。国民議会、立法議会、国民公会、総裁政府の時代と革命は続いたけど、最後の総裁政府のころナポレオンが台頭してくるのよ。彼はヨーロッパ中でフランスを包囲していたイギリス、オーストリア、プロイセン、ロシアの軍隊と戦い軍事的優勢を保ち、国民の人気を背景に1799年には総裁政府を倒し自らが統領政府を樹立し、1804年(瓶詰め発明のころ)にはついに皇帝になってしまったのよ。ナポレオンは何の瓶詰が好きだったのかしら。辞書の瓶詰かな。

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