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父:教一が語る「すき焼きの歴史」 |
そもそも「すき焼」の「すき(犂)」って何だろう。牛馬を使って畑を耕すときに使う鉄製の農具のことことだよ。このすき(犂)の平な部分に魚やガン、カモ、カモシカなどの肉を「たまり(醤油の一種)」につけ込んだものをのせて焼いた料理を「唐犁(からすき)」と呼んでいたことが、江戸末期の1804年(例のナポレオンの缶詰の時代)の「料理早指南(りょうりはやしなん)」という書物に書かれているんだ。現在のすき焼きの元祖は、明治の初め文明開化の風潮に乗って「牛鍋(ぎゅうなべ)」と呼ばれる料理で、関東を中心に広がり、大正時代になって全国で「すき焼き」と呼ばれるようになり普及したといわれているよ。
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妹:修子のひとこと
へ〜ぇ、すき焼きのすきって農具のことだったの。じゃあきっと江戸時代のお百姓さんたちがやっていたバーベキュー料理みたいなものっだったのかしら。 |
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ボク:研一のひとこと
ぼくは牛鍋については、文明開化の話の中で教科書に説明が載っていたので知っていたよ。西洋文化が流入し、都会では衣食住の西欧化が急速に進んだんだね。
でも、すき焼きになったのが大正時代だっていうことには驚いたな。意外と新しいんだね。 |
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母:育代のひとこと
わたしはスキヤキっていったら坂本九さんの「上を向いて歩こう(英名SUKIYAKI)」を思い出すわ、たしか1960年代の初めころだからお父さんが生まれたころよ。ケネディーがアメリカ大統領になったころね。わが国もオリンピックの前で、景気が良くなってきた時期だったのよ。 |
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